東京江戸川区にある盆栽園・春花園に通いながら撮影した盆栽、水石、卓、添景などいわゆる景道を構成する銘品の数々、四季の庭園、そして小林國雄さんとお弟子さんたちの日常の作業風景などを収めた320ページに及ぶ超大型の写真図録。撮影は春花園盆栽美術館館長の神康文さんとの共同作業で進め、編集は高谷治美さん、アートディレクションは冬青社の高橋国博さん、装幀は白岩砂紀さん、そして印刷は凸版印刷さん。素晴らしいチームワークでとても良い仕上がりになりました。
この超豪華な一冊は、三部作、天・地・人の最終章です。小林國雄さんが長年、各界で活躍する多くの人たちとの出会いに支えられながら盆栽作家としての道を歩まれ、体得された天と地と人を結ぶ盆栽芸術、人生哲学の集大成といえるもの。そのような偉大なお仕事の一端に写真家として関わらせて頂けたことに心から感謝するとともに、盆栽がもとを辿れば中国大陸との深い繋がりから生まれたものであることに思いを馳せつつ、遥かな時間の流れに身を置いて仕事をできている今の有難さを感じています。
「自分に合ったお気に入りの場所を見つけてもらい、『小田原暮らし』をしてみたい!と思うきっかけとなること」をコンセプトに、小田原の自然、町、人々、暮らしを紹介する「小田原ブック」の撮影は、いつも楽しみにしているお仕事のひとつです。2014年発行の第1弾が爆発的な人気を博し、2016年の第2弾、そして今回が第3弾の発行となります。思えば、初めて訪ねた2013年と今現在の小田原の町を比べてみると、その変化の大きさには隔世の感すら覚えます。美しい風景と古き良き文化を大切にしつつ、革新的なまちづくりに取り組んでいる小田原の魅力をこれからも写真を通して発信していければ幸いです。
PR冊子 / 撮影
薬膳レシピ10
発行:ホッチポッチ自由が丘店
発行日:2022年5月
食べることが大好きな竹田にとって、料理撮影は楽しいお仕事の一つ。一番美味しく見える角度で狙いを定め、光源を素早く操作します。モノをモノとして表現することはもちろん、画面全体に幾何学的なリズムを意識してスタイリッシュにまとめることで、美味しさがグッ!と引き立ちます。
竹田が初めて企画・監修・執筆を担当させていただいた雑誌の特集号です。大先輩である7人の写真家さんたちのご理解とご協力のもとで長年温めてきたひとつの夢を実現することができました。木村伊兵衛、野町和嘉、齋藤康一、英伸三、田沼武能、稲垣徳文、小竹直人、竹田武史。8人の写真家たち(私を含む)の意思のある視点から1960年代以降の中国の姿を現代に甦らせる85ページに及ぶグラビア特集「日本人写真家の見た中国」は永久保存版を目指した貴重なアーカイブです。是非手に取って頂けましたら幸いです。
コロナ禍前まで、年に数度は行かせて頂いていた海外撮影のお仕事の一例。共に旅した編集者さんやライターさんとの出会いと発見に溢れた夢のような時間が懐かしい。またいつか、ご一緒できる日が来るだろうか・・・。どうか、いつまでも、この世界が豊かで平和でありますように—
こちらも年に数度は行かせて頂いていた海外撮影のお仕事の一例。とりわけガイドブックの老舗『地球の歩き方』の中国編、台湾編では、本編、ムック、ミニ本とさまざまなシリーズ本の撮影取材でお世話になりました。2020年にコロナ禍でダイヤモンド・ビッグ社の編集部が吹き飛び、今は譲渡先の学研プラスに新しい編集部がある。ちなみに竹田が最後に中国へ行ったのは2020年1月のこと。杭州市での撮影仕事から帰国した1週間後に武漢市がロックダウンされる衝撃のニュース映像を見た。そして、あの日からもう3年半が経ちます。春眠暁を覚えずーー竹田としては色々とある中でただいま休眠中の中国熱ですが、ついつい寝過ごしてしまわないように気を付けたいと思います。