長江六千三百公里をゆく

長江六千三百公里をゆく

著 竹田武史

冬青社(2021年12月発刊)

23.5×2×20.6cm / 159ページ

定価 4500円+税

長江6300㎞の流れを辿っためくるめく旅の記録(1998~2007)、全133点のモノクローム写真作品をおさめた写真集が完成しました。 

アジア最長の大河・長江は、米、茶、絹、陶磁器、仏教など、私たち日本文化のルーツであり、豊かな自然風土にさまざまな民族が棲み分けながら暮らしを営む、多彩で魅力的な世界が広がっています。これまでの取材の成果は『長江文明の探求』(共著・新思索社・2004年)、『大長江~アジアの原風景を求めて』(光村推古書院・2005年)、『桃源郷の記~バーシャ村の人々との10年』(新潮社・2015年)の3冊のビジュアル本にまとめられています。 

本書の制作は2020~21年、写真で叙事詩を編むような気持で臨みました。あまりに急激な経済発展と国土開発によって、私が十数年前に目にした多くの生活風景はすでに失われており、だからこそ写真という記録の連なりが、ある時代を生きた人々の営みを崇高なものとして呼び覚ます「現代の叙事詩」になり得ると考えたからです。多様な人間の営みが千変万化する川の流れと混然一体となって観る人の記憶に深く刻まれる――そのような写真集を目指しました。

アジアが近代を超克し、ふたたび美しく輝きひとつになる時代が、もう、そこまで来ていると私は感じています。時代が大きな転換期に入った今こそ、百年先を見据えた「ものづくり」に情熱を燃やしたい。

ご興味を持ってくださる方に是非お手に取っていただけましたら幸いです。

今後ともご指導、ご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

 

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長江文明の探究