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大長江

 アジアの原風景を求めて

写真・文:竹田 武史

光村推古書院(2005年12月発刊)
A5 カラー200ページ
定価 2,800円+税

大長江に龍を見た。

中国大陸を6,300キロにわたって滔々と流れるアジア最長の大河『長江』。その源流から河口までの姿を写真家・竹田が20代のすべてを捧げて追い続けためくるめく旅の集大成です。序文・梅原猛、寄稿・安田喜憲とプロジェクト時代にお世話になった両先生にも登場して頂きました。

2001年、「長江文明の探求」プロジェクト終了と同時に貴州大学に留学。中国語をマスターしたあと、古代稲作民族の末裔といわれる苗族の村々に通うかたわら、長江流域に旅を続けてきました。

チベット高原の氷河に始まる源流、広大な草原でヤクを追いながら暮らす遊牧民、険しい山岳地帯に続く民族回廊、古来「天府の国」と呼ばれてきた四川省の豊かな暮らし、古代巴人たちが活躍した長江最大の難関・三峡、広大な棚田を耕して暮らす苗族の人々、明清時代の民居群が往時そのままの佇まいを見せる江西省の村々、そして豊かな水資源に恵まれた江南の水郷地帯・・・、長江流域に暮らすさまざまな民族たちが、長い歴史のなかで育んできた豊かな文化に魅せられながら、旅は驚きと感動の連続でした。また、それらの風景は見知らぬ世界への単なる憧れだけではありません。訪れる者に、日本の、或いはアジアの原風景と出会ったような言い知れぬ懐かしさをもたらしてくれます。

旅を終えた今、アジアの各地に見られるさまざまな文化の源流のひとつが確かに長江流域にあるという確信を抱いています。

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